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東京五輪の実態(3) 森氏への「入院ノススメ」

 

森氏は直ちに「入院」すべきだ

 朝日新聞は「東京五輪司令塔が不可欠だ」という社説を掲げ、「膨らむ予算に、関係者のバトル……。五輪を巡って繰り返されるそうした状況に、報告書が本質的な問題としてあげる『司令塔の不在』が表れている。東京都、組織委、政府。いったい誰が全体を統括し、責任をもつのか」と疑問を呈しています。

 

 東京オリンピックの組織・運営に責任を持つのはJOC、組織委員会、それに東京都の3者です。しかし大会開催の財政に関することは組織委員会と東京都の二者であるというのがIOCのきまりなのです。

 

 (オリンピック憲章36条の1には、The NOC, the OCOG and the host city are jointly and severally liable for all commitments entered into individually or collectively concerning the organisation and staging of the Olympic Games, excluding the financial responsibility for the organisation and staging of such Games, which shall be entirely assumed jointly and severally by the host city and the OCOG, without prejudice to any liability of any other party, particularly as may result from any guarantee given pursuant to BLR 33.)とある。)

 

 従って以下の記事の安倍総理の見解は間違いであって、「東京都と日本オリンピック委員会」ではなく、「東京都と組織委員会」と言わなければならなかったわけです。

 

安倍首相「五輪経費、できるだけ抑制」=政府、都から意見聴取へ

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で開いた東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で、東京都と日本オリンピック委員会(JOC)に開催経費の抑制を求める方針を改めて強調した。首相は「国民に祝福される大会とするためには、コストをできるだけ抑制するなど、限られた予算と時間を効率的かつ効果的に使うことが不可欠だ」と表明。その上で「東京都や関係機関との連携を一層密にして準備を加速してほしい」と関係閣僚に指示した。時事通信10月7日(金)

 

 組織委員会の予算には原則として税金は投入されません。主な収入源は入場券の販売、ローカルスポンサーからの収入、IOCから与えられる世界の放送局の放送権料とTOPスポンサー収入の一部などが大きな財源です。

 

 その意味からすれば、組織委が都の管理団体になることを森会長が拒否するのは筋が通っているように見えます。組織委は法的にも公益財団法人と言う民間団体だからです。公益財団法人では赤字が出た場合は何らかの方法で自ら補填するのが通常ですし、しばしば役員が無限責任で自分のカネを拠出して赤字を埋めます。

 

 ところが、その意味では組織委員会はとんでもない「インチキ民間団体」で、いくら赤字を出しても最終的には東京都から補填してもらう約束になっているのです。つまり森会長を初めとする役員たちは、どんなにいい加減な放漫経営をやって赤字を垂れ流しても、自分たちの懐は一切痛まない仕組みになっているのです。

 

 さらに都庁からの出向者250人あまりの給与は東京都が負担しています。都職員の平均年収は820万円ぐらいなので、実質的には年に20億円あまりが組織委のために都税から支払われていることになります

 

森氏は取材に対してこんなことを言っています。

 

 森会長は「私たちは都の下部組織ではない。内閣府に認可された団体。都知事の命令で動かせる組織ではない。出資金がもったいないというならお返ししますと知事に申し上げた」と反論した。また、大会経費が3兆円超との試算には、小池氏の都知事選での発言を皮肉り、「『1兆、2兆、3兆だ』と豆腐屋ではあるまいし、選挙の時の言葉を、公式な議論で出すべきではない」と批判した。日刊スポーツ9月30日(金)

 

 でも本当の論点は都が出した57億円の出資金なんてケチなものじゃなくて、オリンピックが終わって最終的に巨額の赤字が出してしまった場合に自ら補填できるかどうかという点なのです。つまり、例えば最終的に300億円の欠損が出た場合、森氏自身を初め30人あまりいる理事たちが、一人10億円ほどの私費を拠出して赤字を埋めることができるのかどうかが問われているのです。森氏が日刊スポーツの記者に対して語ったことは、「組織委は内閣府に認可された公益財団法人という民間団体だ」と言っているだけのことで、自分たちの放漫経営を都民の税金で尻拭いさせていることを隠して偉そうな口をきいてるだけじゃないですか。

 

 朝日新聞が社説で言うような「司令塔」にもなれず、内閣府に認可された公益財団法人としてのガバナンスを全く確保できず、都民の税金で払わせるつもりの膨大な金額を豆腐にしか喩えられないようなトップは直ちに辞職するのが当然でしょう。

 

 ただ日本人は、どんな無能なトップや役に立たない社員に対しても「武士の情け」をかけて事を荒立たせたくないという気持ちの強い優柔不断な国民性です。だから、森さんを直ちに都庁前広場で銃殺刑にすべきだなんてことは私も主張しません。(ホントはそう思っているのですけど…)

 

 物事をすべて解決するためには、森さんは「入院」という手を使えばいいのです。森氏の入院は誰にとっても好ましい玉虫色の解決を齎してくれるはずなのですから。

 

 森氏自身が先年手術を受けたことは周知ですからまた入院しても全く不思議じゃないし、「体がお悪いのにここまで頑張って職務に励まれた」と世論の同情を勝ち取れ、晩節を汚さずに済むでしょう。安倍総理や政府にしてみれば以前世話になったこともある先輩政治家に辞職を迫るよりは入院させる方が恩知らずと言われませんし、政界にも波風が立ちません。小池知事にとっても森氏が入院すれば、どのあたりまで森氏や組織委員会の責任を追及するかの「落としどころ」が見つけられて世論を納得させられるのです。森氏の「入院」は四方丸く収まる妙案だと私は思っています。

 

 リオで話をした組織委の職員たちは、それぞれ真面目に考え誠意をもって仕事をしようという意欲はあるようでした。でも組織委を船に例えれば、エンジンは回しているのに誰一人として舵を取っていないのです。傲慢な太った船長が経験ある航海士を雇わないためです。

 

 ですから組織委員会の職員は、入院を機に森さんに諂うことだけが仕事だった「お取り巻き」の理事や委員、局長たちを一斉にクビにして追放し、外国人も含む経験者を急いで入れて組織を立て直すべきなのです。そうでないと、4年後には絶対にオリンピックを開催できないことを肝に銘じるべきでしょう。

 


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