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ジャオの北京日記 日本化する中国?

JUGEMテーマ:中国ニュース
 

 北京市の北東の郊外、韓国人の多い望京や芸術家村の大山子に近いところに、環行鉄道というのがある。地図で見ると、鉄道線路が直径3キロほどのきれいな丸を描いて敷設されている。前々から何のためにあるのか気になっていた謎の鉄道だったのだが、中国にもいる鉄道オタクの友人が環行鉄道とその横にある鉄道博物館へ連れて行ってくれた。

 

 北京では前門にある正陽門駅が清朝時代からの始発駅で、日本で言えば昔の新橋駅に当たる。この前まで安っぽいショッピングセンターだったものを建物をきれいに直して鉄道博物館として最近開館した。今回訪ねた鉄道博物館はこれとは別で、亮馬橋から環行鉄道行きのバスに乗り、さらに20分ぐらい歩かされてうんざりするような不便な場所にある郊外の博物館の方だ。

 

 博物館には鉄道線路が引き込まれ、機関区のような形になっており、蒸気機関車、ディーゼル機関車を展示している。入り口を入ってすぐ目を引くのは、蒸気機関車の毛澤東号と朱徳号だ。いずれも綺麗に修理され装飾を施されている。

(左が朱徳号、右が毛澤東号)

 ところが、説明板を見て驚いたのだが、この2台はいずれも日本製で、1940年代初めに南満州鉄道で使われていたものと知った。ここで展示されている蒸気機関車は日本製が多く、そのほか戦後、国民政府に対して米国が援助として供与した北米大陸横断鉄道の機関車が数台、さらに雲南省とベトナムを結んで走っていた狭軌の機関車はフランス製やベルギー製、ディーゼルは東ドイツ、ルーマニアなどのプレートの付いたものが多い。(日本に鉄道オタクが多いのは周知だが、彼らはD-51とかC-61とか日本で走っていた機関車については無暗にオタッキーだが、日本で製造され海外で活躍していた機関車には全く冷淡に見える。オタクにも国外に目の向かない日本人の特徴がよく出ているという事なのだろう。)

 

 日本製の機関車に新中国成立と建設の偉人の名前をつけたところは、中国のおおらかさを示しているように思う。まあどこで出来てようがいいんじゃない?…というわけだ。

 

 私が少し心配なのは、中国が経済大国になるにつれ、このようなおおらかさが薄くなってきていることだ。このまえ朱鷺の話を書いたが、5年ほど前に政府が丹頂鶴を中国の国鳥に指定したことがあった。ところが丹頂鶴は学名がGrus japonensisと言い、日本という言葉が入っているためにネットで大論争になった。丹頂鶴も朱鷺と同じく中国、ロシアから朝鮮や日本まで広い範囲に生息する鳥だが、欧州の学者に知られたのが日本産のものだったので学名にjaponensisと入ってしまったのだろう。

 

 私は、国鳥とか国花とかに全く興味がないし、そんな馬鹿らしい事はお上に決めていただく必要はないと思うのだが、その議論の過程が妙にchauvinisticでイヤーな気がしたことを思い出す。朱鷺に関する日本人の狭量さを先日の記事で揶揄したが、歴史学者の與那覇潤大先生の本とは逆に、中国人の日本化が進みだしてるんじゃないかと思ったりする。それから考えると、これらの日本製機関車に毛澤東や朱徳の名前をつけた頃の方が、中国人が中国人らしかったと思う。

 

 この博物館から出ると、謎の環行鉄道が通っているが、ここは新しい車輛の試運転基地に使われているとのことで、たまたま新型電気機関車や、たぶん新幹線の編成に組み込まれるのであろう二階建て車両がのんびり走っているのを見かけた。ここの踏切は列車が通過するたびに人が出て、文字通り「手動」で交通を止めるのだが、こういうノンビリ感が薄れることは、中国人の良さが失われることになりゃしないかしら…と勝手に思うのである。


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