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【書評】 新華僑 老華僑―変容する日本の中国人社会

JUGEMテーマ:中国ニュース
 

文春新書 文化大革命の終わった1980年代から中国から日本へ来る留学生などが急激に増えた。第二次大戦前から日本にいる「老華僑」やその二世、三世たちと、新たに日本へきた中国人たちとの間には余りお付き合いがないのが現実だ。著者の譚さんは日本生まれの老華僑、もう一人の著者の早稲田の劉先生は80年代に日本へ留学した新華僑という組み合わせで、なんとかこの二つのグループを融合させたいというのが、お二人がこの本で言いたい事のようだ。 

 譚さんは、長崎、神戸、横浜の三つの都市の華僑の歴史を聞き書きと探訪記事で綴っている。長崎の華僑は、明治初年の日本の開港以来、地盤沈下が進み、ついに1980年代には中華学校も閉鎖になったという。神戸は台湾人の多い中華社会、横浜は大陸系と台湾系が相半ばして、70年代までは激しく覇権を争った地区だそうだ。

 

 一言で言うと、長崎の華僑は日本人と「親戚」関係、神戸は「友達」関係、横浜は「隣人」関係、というぐらい日本の中でも場所によって華僑のあり方は違うという。

 

 劉潔さんの担当した後半は、華僑の歴史と、華僑という概念の分析だが、こちらはあまり上手く書けていない。海外にいる中国人をどのように「分類」するのが適当なのかという、あまり生産的でないことにエネルギーを費やしているからだろう。

 私のように日本国籍を持っている中国人は「華人」であり、中国籍の「華僑」とは別に分類されるとか、現地生まれの中国人は「僑生」と呼ぶとか、高学歴でコスモポリタン化した在外中国人を華裔と呼ぶとか・・・・。でもそれぞれの定義自体が互いに矛盾するし、高学歴とは何かということを突き詰めれば定義のしようもないわけだから、こういう分類学は不毛だと思う。


  私は1980年代初め、物心がつかないうちに日本に来てしまった上、小学校から大学まで日本の学校へ行ったので華僑という気持ちは全然ない。中国人だという意識はあるけれど、母国語は日本語だし、友人で吉林大学を出た才媛の小呂に言わせると、「中国語はコドモ並み」だそうだから、ナニ人か余り考えても無駄だと思っている。

 

 国籍についても、日本のパスポートを持っていると外国出張の時にビザが不要で大変楽だ(中国パスポートはどこへ行くにもいちいちビザを取る必要があり、しかもなかなか発給されない。)というだけの話だ。北京で働いていた時にも、同僚の中国人にはオーストラリア国籍もカナダ国籍もいたけれど、彼らも便利だからそうしているだけの話だ。

 

 だから在日朝鮮人が、日本に帰化することは民族の魂をなくす事だ、などと大マジメかつ声高に言うのを聞くと、朝鮮族ってやっぱズレてるとしか思えない。まして彼らの要求に従って「外国人にも参政権を」と主張している日本人を見ると、アタマの中でまだ文革をやってるんじゃないかしら、と疑いたくもなる。

 

 この本を読んで、一つだけハッキリ言えるのは、私や小呂にいい男が見つかるのなら、婚活のために老華僑のネットワークに加わるのもいいかも、ってことだけかなあ・・・・

 

新華僑 老華僑―変容する日本の中国人社会

文春新書

譚璐美 劉傑【著】

文藝春秋 (2008/04/20 出版)

289p / 18cm

ISBN 9784166606313

NDC分類: 334.41

価格: ¥892 (税込)


コメント
ぽにょさま、
女性の年齢なんて聞くもんじゃないわ、なんて野暮なことは申しません。
まだ学生気分になることがよくありますが、鏡を見ると、もう学生じゃゼッタイ通用しないと自覚させられる程度の年齢です。

  • 趙秋瑾
  • 2010/02/19 11:45 AM
 趙秋瑾さま
 やはり、あなたは頭のよい方ですね。すべてお見通しとはさすがです。私のメールアドレスもヒントになったのでしょうか。確かに、この国は一番遅れている部分に、今政府が過敏になっていろいろ予算をつぎ込んで、やろうとしています。だからこそ、友人たちの嘲笑を尻目に私はドン・キホーテのように挑んだのですが、この国の人たちに「あるべき姿のために戦え…」とはなかなか強くいえないのが、現実ですね。狂気と見られてしまいます。それだけではすまないところが怖いです。
 この60年だけを見ても、したたかに生き抜いてきた人たちですから日本からきた変なオジサンに煽られたからといって直ぐにヒョイヒョイ動くようなことはしません。けれども、若い人は素晴らしい。彼らには何か残したつもりです。微かではありますが、感じ取ってくれた兆候はあります。「一粒の麦」になってくれれば、望外の幸せ、しかし、余り早急に無理をしないことも望みます。思ったより、遠くにある。蜃気楼のようにも見えてきました。
 私はもう若くないし、趙さんのように鋭い感性と深い教養のある方に、あるべき姿を徐々に滲みこませて頂けたらありがたいです。いろいろ分かっていただいてありがとう。
 いつか、音楽について話しましょう。私の書いたものも、ネットで読めますので。メールをいただければ、ご紹介させていただきます。ここはあなたのサイトですから、ここでの公開は控えさせていただきます。
 きょうも夜になって花火が恐ろしいほど打ち上げられています。窓も揺るがす爆発音に部屋の中でじっとして、今はレイ・ブラウン・トリオのCD「ブラック オルフェ」を大きくかけて対抗しています。寝るときはブルーノ・フォンテーヌのモーツァルトのピアノ・ソナタ集かな。杉がないはずなのに、北京でも花粉症になり、かなり重症。酒を飲めないところが、実は一番辛いです。へへへ。老頑童拝。
  • 老頑童
  • 2010/02/18 10:39 PM
趙ちゃんって今いくつなの?
  • ぽにょ
  • 2010/02/18 2:25 AM
頑童老師、
コメントをいただき有難うございました。
北京市内での爆竹は2006年の春節から解禁になり、私も何メートルもある長い爆竹に悲鳴を上げながら火をつけたのを思い出します。それからまだ何年にもならないのに、北京での春節がホントに涙の出そうなほど懐かしく思い出されます。
私は三環路東の知り合いのところで餃子を作って春節を迎えることが多かったのですが、八宝山の方はこの時期に行った事がありません。同じように深夜まで爆竹が鳴り響いているのでしょうね。

長崎の中国人にとって日本人は親戚というのは、あの本からの受け売りです。私は実は長崎に行った事がないので、ああ日本にそういうところもあるんだなあ・・・という気持ちだけで書いたことです。

森瑤子さんはもともとバイオリンで芸大に入った方だと聞いています。彼女の線の太さがバイオリンに出たら多分、すごいバイオリニストになって面白かったのに・・と勝手に思っています。

中国の国家機関にいらしたとの事、面白い事がたくさんあった反面、小日本鬼子(ごめんなさい)という面でご苦労が多かったでしょうね。私が北京で一度お目にかかった方で、随分長く北京のラジオ局にいらした元日本の新聞記者がおられました。あの方ももう日本に戻られたと思いますが、お話を伺ったときに、中国人としては日本人に対する中国人の胸の痛むような態度を淡々とお話になっていたことを思い出します。日本育ちの中国人としては両方の気持ちがわかるだけに辛い気持ちがしました。

どうぞお元気で日本に戻ってきてください。そして今後も中日両国を知っている方として私を初め多くの方にご経験を伝えていただけますようにお願いいたします。

御礼の気持ちだけ・・・趙秋瑾
  • 趙秋瑾
  • 2010/02/16 1:20 AM
旧正月2日目の花火、爆竹の音を聴きながら、初めてのコメントを書いています。あと1カ月で8カ月間にわたる、北京滞在にひとまず区切りをつけます。ジャオさんのブログはこれまで、読んでいました。なかなか激しいやり取りもありましたね。すごい言葉を投げかけたりして面白かった。さて、今回なぜ、投稿したかというと、とても些細なことに共感したのです。僕は数年前に、長崎に1年いました。そのときに、長崎の日本人たちはお墓で、爆竹を鳴らす、というのを聴きました。何人もの日本人に聴きましたが、彼らは、しごく当然のように、うなずくのです。東京生まれ、東京育ちの僕は驚きました。一応、50ヵ国以上、120地域以上を旅しましたが、もちろん、日本中もほぼ旅しました。そして軽いカルチャーショックを受けました。たったそれだけのことで、とおっしゃるでしょうが、そのまま理解できずに、澱のようにこのことが頭の中に残っていたのです。そして、中国での初めての旧正月。この北京のはずれ、八宝山でもボンボン打ち上げられる花火。夜中でもお構いもせず、鳴らす爆竹。さすが、火薬を発明した国、しかしのべつ幕なしの騒音に疲れ、呆れて、音楽を聴きながら見たあなたのブログの書評で「長崎は親戚」という言葉。レベルが低い、もっと深い意味だとおっしゃるでしょうが、今、長崎のお墓での日本人の爆竹、が納得できました。僕は北京で中国のある国家機関で働いていましたが、付けられたあだ名が「アバンギャルド」。出張先の大連では「老頑童」。とても名誉なことだと思います。僕は中国が特に好きできたわけではありません。ただ、中国が今一番遅れている分野で専門家として声を掛けられて来ましたが、ほかの国と同じように見てきたつもりです。日本に帰ってから、所用を済ませたら、また、来年戻るか、考えます。森瑤子という作家がいました。彼女は日本人にしては体格もよく、書くものも骨太でしたが、本人はとても繊細な人で、パーティーなどで会うと、とても気を使ってくれました。彼女の男性観はすごく勉強になりました。書評の最後に婚活について書いてありましたが、あなたの男性観もぜひたっぷり書いてください。もう、参考にできる、また、する歳ではありませんが、読んでみたい。どうぞ、よい寅年のお正月を。老頑童拝
  • 老頑童
  • 2010/02/16 12:14 AM
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